【FXの約定方式】DD方式とNDD方式ってなに?【最低限これだけおさえればOK】
FX業者の約定方式にはDD方式・NDD方式の2種類が存在します。
これを知っておけば勝てる、という類のものではありませんが、知っておいて損は無い知識なので、本記事で解説していきます。
DD方式・NDD方式の違い
DD方式は『Dealing Desk(ディーリングデスク)方式』のことです。
OTC方式、B-bookと呼ばれることもあります。
DD方式では、顧客とインターバンクの間にFX業者のディーラーが間に入ります。
もう一方のNDD方式とは、『No-Dealing Desk(ノーディリングデスク)方式』のことです。
A-bookと呼ばれることもあります。
NDD方式では、顧客とインターネットが直通で結ばれており、FX業者・ディーラーの介入がありません。
世界中の金融機関同士が取引を行う市場のこと。
FX業者のディーラーの仲介・介入があるか否かで、分類します。
DD方式の特徴
DD方式は国内FX業者の多くが採用している約定方式です。
顧客の注文をFX業者(ディーラー)が呑みます。
そして、ディーラーの裁量で一定のパーセンテージの注文をインターバンクに発注します。このパーセンテージは各社によって異なりますが3~15%程度と言われています。
顧客の80%~90%は負けると言われている世界ですから、全ての注文を通す必要なし、残りの10%程度の勝っているトレーダー、上手いトレーダーの注文は通す、という判断の元で各FX業者のディーラーが処理しています。
DD方式では【顧客の負け=FX業者の利益】という図式が成り立ちます。
DD方式の内部で行われていることは、
①注文を呑む(通さない)
②顧客同士の注文を相殺させる
③インターバンクに流す
の3つの処理をディーラーが行っています。
FX業者の損失が発生するのは、③の場合の手数料分のみです。
①、②、③の配分さえ誤らなければ、FX業者の利益は顧客の数に比例して増えていきます。
DD方式のメリット
スプレッドが狭いスプレッドが固定できる
DD方式のデメリット
FX業者が意図的にスプレッドを広げられるストップ狩り、と呼ばれる値動き
スキャルピング・EA(自動売買ツール)は原則禁止
NDD方式の特徴
海外FX業者の多くの会社が採用している約定方式です。
顧客の注文を、FX業者・ディーラーの介入を通さずにインターバンクに通します。
NDD方式を採用している会社の利益は、顧客の取引による『取引手数料(スプレッド)』によって得ています。
FX業者としては、【取引回数・取引量の多いトレーダー】を好みます。顧客にトレードを通じて勝ってもらって、さらに取引回数や取引数量を増やして欲しいのです。
その為、原則としては、スキャルピングやEAの使用は禁止されていません。
【顧客の利益=FX業者の利益】という図式が成り立ちます。
業者としては、純粋な顧客数よりも、取引回数の多いトレーダー、ロット数の大きいトレーダーを好みます。
NDD方式のメリット
透明性が高い約定が速い
スキャルピング、自動売買可
NDD方式のデメリット
スプレッドが広い
NDD方式にはさらに2つの種類がある
NDD方式には、さらにSTP方式とECN方式の2種類があります。
STP方式
『Straight Through Processing』の略
インターバンク市場に参加している複数のLP(リクイディティープロバイダー)から、レートの提示を受け、投資家にとって一番有利な価格で約定させる方式。
FX業者は、一番有利なレートを採用した上で、自社が設定した手数料を「スプレッド」として徴収します。
※LPとは⇒証券会社や金融機関のこと
ECN方式
『Electronic Communications Network』の略
トレーダーの注文をインターバンクに直接流し、反対売買とぶつけて自動的に約定させる方式。
実際のスプレッドは0だが、FX業者は取引手数料を徴収し、この手数料がFX業者の利益になります。
日本の株式市場はこの方式で売買されています。
取引コストが異なる
STP方式とECN方式では、取引コスト体系が異なります。
STP方式では、『スプレッドのみ』が取引コストですが、ECN方式では、『スプレッド+手数料』が取引コストとなり、手数料は、各社によって異なります。
DD/NDD約定方式の違い・まとめ
海外FX業者の多くはNDD方式を謳ってはいますが、LPの開示まで行っているFX業者は多くありません。
NDD方式を公言していても、実際はDD方式、という業者もあります。
FX業者の約定方式はブラックボックスです。
内部の人間しか真実はわかりません。
完全なる透明性の元で取引をしたい方は板情報も閲覧可能なECN方式を採用しているFX業者や口座タイプを選択すると良いと思います。
筆者の好みとしては『顧客の利益=FX業者の利益』が成り立つNDD方式の方が好きです。
DD方式=勝てない、NDD方式=勝てる、ということでもありません。
どちらかが正義で、どちらかが悪、ということもありません。
どちらの約定方式も合法です。
その業者が、安定的に運営可能な約定方式を選択していて、実際に安定的に運営がなされていて、トレーダーにとって利用価値の高い取引環境を提供してくれていれば、それでOKです。
あなたのトレードスタイルにとって、優位性があり、かつ実際に使ってみて、問題がなければ利用し続ければ良いですし、
合わなければ、もっと自分にあった取引環境を提供しているFX業者を選択すれば良いだけの話です。
しかし、自分が利用しているFX業者がどの約定方式を採用していると公言しているか、公式サイトではどの程度の情報が開示されているか、は知っておいて損はないでしょう。
【FX未経験者向け】トレード開始前に知っておきたい最低限の基礎知識まとめ
海外FXボーナス比較【利用価値のあるボーナスは7社のみ】最新版