FX初心者が覚えておくべき理論②プロスペクト理論

今回はFX初心者の方が知っておくべき理論として【プロスペクト理論】というものを紹介します。

 

プロスペクト理論とは?

数式を見ている女の子

 

まずはwikipediaの概要をご覧ください。

 

プロスペクト理論は、たとえばファイナンスにおける意思決定などにおいて、人々が既知の確率を伴う選択肢の間でどのように意思決定をするかを記述する。期待効用理論のアノマリーを克服する理論として作成された。「プロスペクト(prospect)」という語は「期待、予想、見通し」といった意味を持ち、その元々の由来は宝くじである。期待効用理論の「期待(expectation)」という語に替わるものとして名前に選ばれた。

行動経済学における最も代表的な理論の一つとして知られており、そのモデルは記述的(descriptive)である。規範的(canonical)モデルと異なり、最適解を求めることよりも、現実の選択がどのように行われているかをモデル化することを目指すものである。個人が損失と利得をどのように評価するのかを、実験などで観察された経験的事実から出発して記述する理論である。

プロスペクト理論では、二種類の認知バイアスを取り入れている。 一つは、「確率に対する人の反応が線形でない」というものである。これは、期待効用理論のアノマリーで「アレのパラドクス」としてよく知られている。もう一つは、「人は富そのものでなく、富の変化量から効用を得る」というものである。これと同様のことを、ハリー・マーコウィッツは1952年に指摘している。

とのことです。
なんだかよくわかりません。

以下の実験内容はわかりやすいです。
有名な実験として、以下のようなものがあります。

プロスペクト理論の元となった実験は、カーネマンが「一つだけの質問による心理学(psychology of single questions)」と呼ぶ手法による。この手法は、心理学者のウォルター・ミシェル英語版が用いた方法を参考にしたものである。

例えば、以下の二つの質問について考えてみよう。

  • 質問1:あなたの目の前に、以下の二つの選択肢が提示されたものとする。
  1. 選択肢A:100万円が無条件で手に入る。
  2. 選択肢B:コインを投げ、表が出たら200万円が手に入るが、裏が出たら何も手に入らない。
  • 質問2:あなたは200万円の負債を抱えているものとする。そのとき、同様に以下の二つの選択肢が提示されたものとする。
  1. 選択肢A:無条件で負債が100万円減額され、負債総額が100万円となる。
  2. 選択肢B:コインを投げ、表が出たら支払いが全額免除されるが、裏が出たら負債総額は変わらない。

 

質問1に対するあなたの回答はいかがでしょうか?

実はどちらも【期待値は同じ】なのです。

しかし、【堅実なAを選ぶ人の方が圧倒的に多い】という実験結果が得られています。

そして、質問2はどうでしょうか?

2に関しても実はどちらも【期待値は同じ】です。

堅実なのはAです。

しかし、この質問2では、ギャンブル性の高いBを選んだ人の方が圧倒的に多かった、という実験結果が出ています。

上記の実験から得られる結論は、人間は目の前に利益があると利益が手に入らないというリスクの回避を優先し、損失を目の前にすると、損失そのものを回避しようとする傾向(損失回避性)があるということです。

 

 

FXの世界でのプロスペクト理論

FXの世界の言葉で簡単に言い換えると『利益が出ると早く利益確定の注文をしたくなり、損失が出ると損失を確定させたくない気持ちになり、耐えてしまう』ということになります。

30pipsほど利益がノッてきて、喜んでいたら、20pipsほどプルバックしてきて、みるみる利益が減っていき、10pipsほどで利確した、というトレードがあったとして。

 

次のトレードで同じく30pips利益がノッてきたら、【利益確定したい】という気持ちが強く、利益を確定したところ、その後さらに30pipsほど伸びた、という経験は誰しもあるのではないでしょうか。

また、一度損切をずらす、というのを覚えてしまい、普段は20pipsで損切をいれているのに、損切直後に反転した、という経験が続いたとして。

ポジションと波が逆行してきてしまい、損切を10pips下にずらしたとします。

その後、ずるずると逆行して損切ラインもずるずると引き下げてしまい、気付けばとっくにエントリーの根拠は崩れているのに60pipsでやっと損切する、というような経験がある方もいるのではないでしょうか。

 

【利益は早く確定させたい、損失は確定させたくない、少しでも遅くしたい】というのがFXでのプロスペクト理論です。

 

プロスペクト理論に従うとトレードの基本とされている考え方の【損小利大】とは真逆のトレードになってしまいます。

損小利大とは
「損失は小さくし、利益は大きくしましょう」というトレード用語。

 

 

踏まえた上で、どう戦うか?

まず、『人間にはこういう性質(利益は早く確定し、損失は確定させたくない)がある』という前提を知っておくのが大切です。

【利益を確定させたい気持ちや、損失は確定させたくない気持ちはあなただけが感じている感情ではありません】トレーダーはみな、同じような葛藤と戦っています。

プロスペクト理論を事前に知っておけば、そのような場面に備えることができます。

プロスペクト理論を克服しないと【大きく勝てるトレーダーにはなれません】

 

プロスペクト理論は非常に強力で、トレード中は基本的には【利益が欲しい・確定させたい】という気持ちと【損はしたくない・確定させたくない】という気持ちはつきまといます。
(逆に言うと、どのような場面でも感情が動かなくなれば、【あなたのトレードスタイル】は一旦の完成を迎えた、と言えるかもしれません。)

そこで、どうするか?

よく言われることですが、【自分のルールをつくる】という結論になります。

最低でも『損切』と『利確』のルールを定めましょう。

『損切』のルールは最初は機械的に「15pips」「20pips」と機械的に決めて、ずらさない、という程度で充分です。難しいのは『利確』のルールです。

これも機械的にpipsで区切ってもいいですし、5分足のダウが切り替わったら、でもいいですし、半分のロットはpipsで利確し、残り半分は引っ張ってみて成行で、でも良いです。

ご自身が納得できるルールを作りましょう。

一度決めて、やってみて、修正していけば良いのです。

『ルールを作ることの有用性』はまた別の記事で書きたいと思います。

【プロスペクト理論】と名付けられた人間の性質があり、この心の動きを克服する必要がある、ということだけでも覚えていただければ幸いです。

 

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